
2019年(第17回)医療情報技師試験の医学医療系からの過去問 31~40 を勉強したときの備忘録です。
問31:医薬品の体内動態の過程でないのはどれか。
- 吸収
- 阻害
- 代謝
- 排泄
- 分布
<医薬品の体内動態(薬物動態)>
1)[吸収]
薬物が投与された部位から、血液循環系へと取り込まれること
※主な吸収部位:経口、静脈内、筋肉、皮下、口腔粘膜、皮膚、気管支粘膜、鼻粘膜、肛門、膣
5)[分布]
体の中に薬物が吸収され、循環血に乗り、全身の組織へと広がっていくこと
※血液中での分布、薬物の血液と組織間の分布がある
3)[代謝]
吸収、分布を経て薬物分子を、水溶性物質に変化させて体外へ排出しやすくすること
※代謝の種類
第Ⅰ相反応:酸化、還元、加水分解
第Ⅱ相反応:水溶性分子(例:硫酸、グルクロン酸など)がくっつく反応(抱合反応)
4)[排泄]
腎臓で老廃物や異物を尿として排泄すること
2)[阻害]
薬理作用(薬物が生体に及ぼす作用)が邪魔されること
正答:2
問32:誤っているのはどれか。2つマークしなさい。
- 抗がん剤は専用の処方箋で処方する。
- 保険における医薬品の投与は原則7日分である。
- 麻薬を処方する場合は、麻薬施用者番号を記載する必要がある。
- 向精神薬は医薬品により処方可能な投与日数が制限されている。
- 新薬は原則として最初の1年間は処方可能な投与日数が制限されている。
1)抗がん剤はその他の処方薬と同様の様式の処方箋で処方して差し支えない。
2)保険診療における長期投与の制限は、原則廃止されており、医師の判断により適切な期間の投薬が可能。
3)
4)麻薬・向精神薬の処方可能な投与日数は最大14~90日
5)発売後一年以内の新薬には投与日数(原則として最大14日)がある。
正答:1,2
問33:看護診断分類はどれか。
- NIC
- NOC
- ICNP
- NANDA-I
- SNOMED-CT
1)看護介入分類
2)看護成果分類
3)看護実践のための国際分類
4)NANDA-I(North American Nursing Diagnosis Association – International)
看護師が独自に診断・介入する患者問題を看護問題と呼び、その診断名称を看護診断と呼ぶ。
日本ではNANDAインターナショナルで承認された看護診断が普及している。
5)国際保健用語企画開発機構が配布する国際医療用語集
正答:4
問34:ゲノム情報を用いて患者一人ひとりの遺伝的な背景を考慮して提供する医療を指すのはどれか。
- 再生医療
- 終末期医療
- ゲノム解析
- 個別化医療
- チーム医療
※個別化医療
患者さんの体質や病気の特徴にあった治療を行うこと
同じ病気でも患者さんによっては薬の効きに差があるため、体質にあった薬を投薬します
1)幹細胞を用いて機能を失った細胞や組織を復元させる医療
2)近い将来に死に至ることがある程度予想される状況下において、身体的苦痛の緩和だけでなく、
その人らしさをまっとうできるように支援する医療
3)生物(患者)の遺伝子情報を解析
4)
5)診療科や部門を横断した多職種による医療
正答:4
問35:放射線を用いない検査はどれか。2つマークしなさい。
- 胸部単純撮影
- 腹部超音波検査
- 頭部MRI造影検査
- 心臓カテーテル検査
- 脳血流シンチグラフィー
1)放射線の一種であるX線を用いて胸部のX線透過画像を撮影する
2)体表から超音波を照射して反射波により内部臓器を観察する検査
3)単純、造営にかかわらず、体外から強い高周波磁場を与え、その際に体内から放出される核磁気共鳴信号を用いて体内の水素原子の分布を画像化する検査
4)X線透過下で、橈骨動脈などからカテーテルを心臓あるいは冠動脈内に挿入し造影剤を注入して動きや形態を観察する
5)核医学検査の一つで、放射線同意元素を含む薬剤を体内に投与し、一定時間後に体内から放出される放射線量を画像化する
正答:2,3
問36:放射性医薬品を使用する検査はどれか。2つマークしなさい。
- CT
- MRI
- PET
- マンモグラフィー
- 骨シンチグラフィー
1)CTは外部から照射するX線を用いて断層撮影を行うもの
2)MRIは体外から放出される核磁気共鳴信号を用いて体内の水素原子の分布を画像化するもの
3)PETは、腫瘍など目的組織に集積しやすい放射線同意元素を含む薬剤を投与し、対外へ放出される
γ線を体の周囲360°方向から同時計測して放射性医薬品の体内での分布を画像化する。
4)マンモグラフィーは乳房を側面から圧迫した状態で側面方向の単純X線撮影を行うもの
5)骨シンチグラフィは、骨に集積しやすい放射線同意元素を含む薬剤を静脈内に投与し、
体外へ放出されるγ線を画像化する。
正答:3,5
問37:診断に超音波検査が用いられないのはどれか。
- 妊娠
- 胆石症
- 肺気腫
- 心臓弁膜症
- 深部静脈血栓症
超音波の特性上、肺などの空気を多く含む組織(超音波が拡散してしまう)や
脳などの硬い組織の下にある組織(超音波を透過しにくい)は画像の描出が困難なため肺気腫
には用いられない。
1)
2)
3)
4)
5)
正答:3
問38:がんの治療法として代表的でないのはどれか。
- 運動療法
- 化学療法
- 免疫療法
- 外科的治療
- 放射線治療
正答:1
問39:SOAP形式の医療記録で「S」に記載するのはどれか。
- 処方
- 評価
- 治療計画
- 客観的情報
- 主観的情報
・S(subjective):主観的情報
対象者が話した内容などから得られた情報
・O(objective): 客観的情報
診察や検査からなど得られた客観的な情報
・A(assessment): 評価
医師の診断や、O と Sの内容を元に分析や解釈を行った総合的な評価
・P(plan): 計画(治療)
Aに基づいて決定した治療の方針・内容、生活指導など
1)
2)
3)
4)
5)
正答:5
問40:ICD(国際疾病分類)について正しいのはどれか。2つマークしなさい。
- 原死因の分類には用いられない。
- DPCの診断群分類コードに利用されている。
- MEDISの標準病名マスターが準拠している。
- ICD-10のコードは8桁の数字で構成されている。
- アメリカ疾病管理予防センター(CDC)が制定している。
ICDは世界保健機関(WHO)が作成した死亡や疾病のデータの体系的な記録や分析、比較を行うための分類であり、2)DPCの診断軍分類コード、3)MEDISの標準疾病マスターにも用いられているため、正しい。
1)原死因の分類にはICDの第10版であるICD-10が用いられている。
2)
3)MEDISとは一般財団法人医療情報システム開発センターのこと。
厚生労働省から委託を受けて平成16年度までに診療情報の「用語・コード」の標準化として、次の9分野、10の標準マスターを作成しました。
1.病名マスター(ICD10対応標準病名マスター)
2.手術・処置マスター
3.臨床検査マスター(生理機能検査を含む)
4.医薬品HOTコードマスター
5.医療機器マスター
6.看護実践用語標準マスター<看護行為編><手術観察編>
7.症状所見マスター<身体所見編>
8.歯科分野マスター<病名><手術処置>
9.画像検査
4)ICD-10コードはアルファベット一文字に2桁の数字の3桁分類、詳細な発生場所や疾病の原因を表す4桁分類および5桁分類が用いられる。
5)ICDはWHOが制定したものである
正答:2,3
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