
2017年(第15回)医療情報技師試験の医学医療系からの過去問 21~30 を勉強したときの備忘録です。
問21:オーダエントリシステムの抗がん剤プロトコルに関する機能として適切でないのはどれか。
- 休薬期間を管理する。
- 抗がん剤のロット番号を管理する。
- 抗がん剤の累積投与量を管理する。
- 患者の体表面積から抗がん剤の投与量を算出する。
- 患者の検査結果値から抗がん剤の投与量を算出する。
1)
2)ロット番号の記録が法令で義務づけられているのは、特定生物由来製品である。
3)
4)
5)
正答:2
問22:臨床検査情報システムが有する品質管理機能でないのはどれか。
- デルタチェック
- レシオチェック
- ストレスチェック
- リミットチェック
- パニック値チェック
1)デルタチェックは、同一患者について、直近の前回値との差や比をチェックする。
2)レシオチェックは、項目間で相関性のある検査項目について、項目間の比や差をチェックする。
3)ストレスチェックは、労働安全衛生法に基づきメンタルヘルスを管理する目的で実施されるもので、臨床検査の品質管理とは関係ない
4)リミットチェックは、あらかじめ設定した範囲から外れた測定値をチェクする。
5)パニック値チェックは、生命に危険が及ぶ限界値としてあらかじめパニック値を設定した項目について、その値に達するかそれを超える異常値をチェックする。
正答:3
問23:検体採取ラベルに印字する必要がないのはどれか。
- 住所
- 採取日
- 患者氏名
- 患者番号
- 依頼診療科
1)
2)
3)
4)
5)
正答:1
問24:検体検査に関するシステムについて正しいのはどれか。2つ選択しなさい。
- 標準化マスターの使用が義務付けられている。
- オーダと検査結果は必ず1対1の関係にある。
- 微生物検査は結果に応じて追加オーダが発生する。
- 採取検体に対して複数の検査項目を指定できる必要がある。
- 血液検査の場合、入院・外来とも採血の実施時に実施情報が送信される。
1)検体検査の分析操作にかかわる情報などは、電子カルテを想定した標準化マスターの範囲外であり、検査システムではより分析業務に最適化されたマスターが使用される。
2)1つのオーダに対し、たとえばパニック値における速報値と最終確定値の、2種類の検査結果が報告されることがある。
3)たとえば想定外の病原体が検出された場合に、感受性検査の追加オーダが発生しうる。
4)たとえば1本の血清検体から、数十もの生化学検査項目が測定されることがある。
5)血液検査の場合は、検査部門で検体の受付がなされた時点で、実施情報が送信されることが多い。
正答:3,4
問25:生理機能検査に関するシステムの記述について適切なのはどれか。
- 呼吸機能検査の結果は数値のみである。
- 検査レポートの項目・書式は標準化されている。
- 心電図波形を自動判定するためにPDF形式で保存する。
- 心臓超音波検査の画像はPACSに保存することもできる。
- 腹部超音波検査では、患者受付時点で検査内容が確定している。
1)呼吸機能検査の結果には、画像情報に属するスパイログラムが含まれる。
2)検査レポートの項目・書式は、各施設で培われた診療スタイルに最適化されていることが多い。
3)心電図は軽の自動判定には、デジタル化された波形データが用いられる。PDF形式での保存は、閲覧に適している。
4)PACSは画像情報全般の処理に適しており、放射線画像以外にも、心臓超音波検査画像などの保存に利用されることがある。
5)腹部超音波検査では、たとえば検査時点で初めて見つかった結節用所見に対し血流ドプラを追加するなど、患者受付後であっても適宜、検査内容が追加・修正される。
正答:4
問26:放射線検査の運用とそれに関連するシステムの組み合わせで誤っているのはどれか。
- 医師が検査を依頼する - RIS
- 検査依頼情報を撮影装置に送る - RIS
- 読影医が画像診断を行う - PACS
- 医師が画像を閲覧する - PACS
- 医師が撮影実施情報を確認する - オーダエントリシステム
1)放射線検査の依頼は外来、病棟のHIS端末のオーダエントリシステムから入力され、HISサーバーへ保存される。その情報がRISに転送される。IHE-SWF(通常の運用フロー)ではRISから検査依頼の発行はあるが、日本では検査の前処置薬などの関連会計情報を検査依頼にまとめるため行われないので誤りである。
2)検査依頼情報を撮影危機に送るのはRISからDICOMのMWM(ワークリスト)転送で行う。
3)読影医が画像診断を行うにはPACSの画像表示端末に画像を受信表示する。
4)医師が画像閲覧するのもPACSである。放射線部内PACSと病院全体のPACSの2つが存在する場合もあるが、基本的にPACSである。
5)外来石が患者診察のため検査終了を待っている場合、患者の検査終了はRISあるいはPACSからHISに実施情報として送付され、オーダエントリシステムで検査終了の表示を確認することになる。
正答:1
問27:RISの機能でないのはどれか。
- 検査画像の参照
- 検査依頼の受付
- 使用した造影剤の登録
- 医事会計システムへの実施情報の送信
- 物流システムへの使用物品情報の送信
正答:1
問28:PACSについて適切でないのはどれか。
- 検像に利用する。
- 画像の保存と交換を行う。
- DICOM規格が用いられている。
- 心電図波形の保管に対応している。
- 画像は1/20以上に圧縮して保存する。
画像データの圧縮を行うと画像が劣化して診断や説明に支障をきたす可能性がある。診断能力の観点から、10分の1の圧縮は容認できるが、20分の1以上の圧縮は容認できないという報告がある。
正答:5
問29:「患者紹介等に付随する医用画像についての合意事項」(平成28年9月16日)に記載されていないのはどれか。
- 画像の圧縮を行わないこと
- 大量の画像を送らないこと
- DICOM規格に違反しないこと
- IHE統合プロファイルに準拠すること
- 1枚のCD-Rに家族のデータをまとめて記録すること
1枚のCD-Rに書き込む患者は1名ー1IDとすることと記載されているので誤りである。
正答:5
問30:輸血部門システムについて誤っているのはどれか。
- 血液型不適合輸血を防止する機能が必要である。
- 血液製剤の使用記録ならびに患者輸血歴の保存期間を5年間とする。
- 血液製剤出庫の際にはコンピュータクロスマッチの機能が必要である。
- 輸血後2~3か月後に感染症マーカーをチェックできることが望ましい。
- 患者本来の血液型とは異なる血液製剤の払い出しを可能にする必要がある。
2)輸血用血液を含む血液製剤は特定生物由来製品であるため、製材使用記録ならびに患者輸血歴を20年間保管することが義務付けられている。
5)緊急時に患者の血液型検査を行う余裕がない場合や血液型が一致する血液がない場合に、考査適合試験を行わずにO型赤血球製剤を輸血する場合がある。骨髄移植を行う場合、白血球の型が適合していることが必須だが、赤血球の型(血液型)が異なっていても可能である。よって、骨髄移植後にほんらいの血液型と異なった血液型になるケースがある。
正答:2
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