
2016年(第14回)医療情報技師試験の医学医療系からの過去問 41~50 を勉強したときの備忘録です。
個人的な解釈でメモを付けています。誤りがある可能性があります。
問41:診療録の1号用紙の記載事項でないのはどれか。
- 傷病名
- 患者住所
- 治療方法
- 患者生年月日
- 被保険者証記号・番号
様式第1号は、(1)の1から(1)の3に分かれている。様式第1号の(1)の1には、受信者の氏名、生年月日、性別、住所、職業、被保険者との続柄、保険者番号、被保険者証および被保険者手帳の記号・番号、有効期限、被保険者氏名などの被保険者に関する情報、傷病名、開始、終了、転帰ならびに期間満了予定日、労務不能に関する意見、および公費負担医療の受給者番号などが記載される。
様式第1号の(1)の2には、既往歴、原因、主要症状、経過、処方、手術、処置等
様式第1号の(1)の3には、診療の種別、月日、点数、負担金徴収額、食事療養算定額、標準負担額等
1)
2)
3)→2号用紙
4)
5)
解答:3
問42:以下の組み合わせで誤っているのはどれか。
- 看護経過記録 - 叙述型記録
- 看護計画 - 看護ワークシート
- 看護サマリー - 必要に応じて作成
- 患者基本情報 - 退院後の指導の資料
- 熱型表 - 看護ケアで得られる情報が多い
1)看護の経過記録には、順を追って経過を記録した叙述型記録と、図や記号などを用いて経過を一覧できる経過一覧表(フローシート、熱型表)とがある。叙述的な記録には、SOAP形式による記録、フォーカスチャーティングによる記録などがある。
2)看護計画は、患者単位に提供する看護ケアの計画を記載したもので、看護ワークシートは、看護師が行う看護業務を病棟やチームごとにあるいは、行為別にまとめたものである。
3)患者の経過を要約したもので、必要に応じて作成する。
4)患者基本情報は、看護を必要とする人の、現在あるいは今後必要な看護ケアの問題を判別するための基本的情報であり、退院指導に必要不可欠である。
5)熱型表(経過一覧表、温度板)は、一定期間のバイタルサイン、水分出納、食事摂取状況等の情報を記載することができる縦と横の表分割になっている。熱型表に記載されている項目は、看護ケアで得られるものが多い。
解答:2
問43:病棟日誌の記録項目でないのはどれか。
- 退院患者数
- 入院患者数
- 紹介患者数
- 外出・外泊患者数
- 救護区分別患者数
「基本診療料の施設基準等」では、看護業務に関する記録としては、看護業務の管理に関する記録と看護業務の計画に関する記録の記載が義務づけられている。看護業務の管理に関する記録は、通常、病院(管理)日誌や看護管理日誌と呼ばれており、患者の移動、特別な問題を持つ患者の状態及び特に行われた診療などに関する概要、看護要因の勤務状況並びに勤務交代に際して申し送る必要のある事柄等を記録したもの。
1)
2)
3)紹介患者数は特に記載の必要はない
4)
5)
解答:3
問44:保険薬局における保険処方箋の保存義務年数はどれか。
- 2年
- 3年
- 5年
- 10年
- 20年
1)
2)
3)
4)
5)
参考文献サイト】
保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則第 6 条 ?
解答:2
問45:症例対照研究で得られるのはどれか。
- 発症率
- 有病率
- オッズ比
- バイアス
- 相対危険度
症例対照研究では、ある疾病の患者集団と罹患したことない対象集団において、原因であろう要因に暴露された者を、過去にさかのぼり調査する。この場合、両集団の総和はそれらの母集団を反映しないため、1)発症率、2)有病率、4)バイアス、5)相対危険度は得られない。3)しかし、ある事象の起こる確率を起こらない確率で割る値(オッズ)は算出可能なため、患者集団と対象集団それぞれのオッズの比(オッズ比)は計算される。なお、疾患がまれなものであれば、オッズ比は相対危険度の値に近似する。
解答:3
問46:治験の過程で行われるのはどれか。
- 横断的研究
- コホート研究
- 症例対照研究
- 生態学的研究
- 臨床薬理試験
1)横断的研究は、対象集団のある時点の疾病の有病率とリスクの保有状況を調査するものである。
2)コホート研究は要因の暴露群と非暴露群からなる集団を追跡調査し、疾病の罹患率やリスクの相対危険度を求めるものである。
3)症例対照研究は、患者群と対照群の比較によりリスクのオッズ比を求める研究である。
4)生態学的研究は、異なる地域の集団を比較して要因と疾病の関係を検討する研究である。
5)臨床薬理試験は、地検の第Ⅰ相試験として、健常者を対象に薬物動態や安全性の検討のために行われる臨床試験である。
解答:5
問47:データのばらつきを示す指標はどれか。
- 最頻値
- 中央値
- 平均値
- 標準偏差
- 変動係数
1)再頻値は、度数の最も多い階級値である。
2)中央値は、有限個のデータの大きさの順に並べたとき、中央に位置する値である。
3)平均値は、観測地の総和を観測地の個数で割った値である。
4)標準偏差は、平均値と各資料の値の差(偏差)の2乗し、その算術平均地の平方根を取った値であり、ばらつきの指標である。
5)変動係数は、標準偏差を算術平均値で割った値であり、相対的なばらつきの指標でもある。
解答:4,5
問48:特性が類似するものの集団を作ることで対象を分類する分析方法はどれか。
- 判別分析
- 分散分析
- 重回帰分析
- 主成分分析
- クラスター分析
1)判別分析は、新データが事前に与えられたグループのどれに属すかを知る分析法である。
2)分散分析は、データ変動を誤差変動と各要因およびそれらの交互作用による変動に分け、要因および交互作用の効果を判定する分析法である。
3)重回帰分析は、1つまたは複数の説明変数と1つの目的変数の関係を求め、説明変数から目的変数を推定する分析法である。
4)主成分分析は、多くの変数に重みをつけて少数の合成変数を作る分析法である。
5)クラスター分析は、特製の似た者同士を集めて任意の数のクラスター(群)に分類する分析法である。
解答:5
問49:ある事象が発生する確率に対する複数要因の関与を解析する手法はどれか。
- F検定
- 分散分析
- 順位和検定
- χ2(カイ2乗)検定
- ロジスティック回帰分析
1)F検定 4)χ2(カイ2乗)検定は、検定統計量がそれぞれF分布、χ2分布に従うような場合に用いられる検定法である。
2)分散分析は、3郡以上の平均値の比較を行う検定法。
3)順位和検定は、測定値の大小関係(順位)を用いて2郡の母集団文武の同一性を検定するノンパラメトリックな検定法である。
5)ロジスティック回帰分析は、疾患の発症など、事象の発生確率を複数の要因の有無や程度の関数として表現するモデルを用いた解析手法で、疾患発症の危険因子を探索する疫学研究でしばしば用いられる。
解答:5
問50:定量的検査で感度を高くした際に、一般的に高くなるのはどれか。
- 特異度
- 偽陰性率
- 偽陽性率
- 陰性予測値
- 陽性予測値
上図が一般的なイメージなんですが、よりわかりやすくするために次の図のように「インフルエンザ」を当てはめてみました。
分布のグラフとか検査数値はウソです。あくまでもグラフをイメージするために「インフルエンザ」という言葉を借りてきただけです。
さて、上図のようになります。
インフルエンザにかかっている人(赤)の検査結果をみると、検査数値125くらいの人が多いですが、60くらいのかたもいますし、150くらいのかたもいます。このあたりは個人差です。
かかってない人(青)の検査結果をみると、検査数値60くらいの人が多いですが、もっと小さい方もいますし、中には100を超える人もいます。健康なのにもともと数値が高い人っていますよね。これも個人差です。
検査結果によって、陽性と陰性を分ける境界をカットオフ値といいます。
この例ではカットオフ値を 100にしているので、検査結果が100以上の方は「陽性」、100以下の方は「陰性」と判定されます。
病気にかかっているのに、検査結果が100以下=検査「陰性」となった方を「偽陰性」といいます。
図で言うと、赤い山のうち、カットオフ値の左側に入っている部分が偽陰性です。
また、病気にかかっていない(青い山)のに、検査結果が100以上=検査「陽性」となった方を「偽陽性」といいます。
図で言うと、青い山のうち、カットオフ値の右側に入っている部分が偽陽性です。
感度=病気にかかっている人がどれだけ「陽性」と判定されるか=赤い山がどれだけカットオフ値の右側に入るか
ということなので、
カットオフ値が低ければ低いほど(カットオフ値が左に寄れば寄るほど)感度はあがります。
点線のカットオフ値(b)のように、カットオフ値を 60くらいにしてしまえば、
病気にかかっている人たち(赤線の山)はすっぽりと陽性に入り、感度はたかくなります。
その反面、病気でない人たち(青線の山)の半分くらいも陽性となってしまいます。
つまり、偽陽性が増えてしまいます。
http://www.med.niigata-u.ac.jp/lab/labmed/page6.html
解答:3