2019年医療情報技師(医療情報システム系)の過去問集2

2019年(第17回)医療情報技師試験の医学医療系からの過去問 11~20 を勉強したときの備忘録です。

問11:物品管理システムを導入している病院情報システムにおいて、食い違いが生じない組み合わせはどれか。2つ選べ。

  1. 実施情報と払い出し物品
  2. 依頼情報と払い出し物品
  3. 依頼情報と保険請求データ
  4. 保険請求データと実施情報
  5. 払い出し物品と保険請求データ
メモ


基本的にオーダは「依頼」された後に「実施」の入力が行われます。
この問題の場合、以下のようなイメージになると思います。
・依頼情報:医療用物品の使用の依頼情報。未実施の情報であり、オーダのキャンセルもありえます。
・実施情報:医療用物品の使用の実施情報。実施済みの情報であり、オーダのキャンセルはありえない。
・払い出し物品:依頼時に生じる情報。払い出されたが、オーダのキャンセルもありえる。
・保険請求データ:実施時に生じる情報。使用された医療用物品の請求データ。オーダのキャンセルはありえない。
1)
2)
3)
4)
5)


正答:2,4

問12:がん化学療法のレジメンシステムの運用について適切でないのはどれか

  1. 投与量の変更は誰でも可能とする。
  2. 投与する薬剤の点滴順を管理できる。
  3. 薬剤を投与しない休薬日を管理できる。
  4. 抗がん剤の投与量は患者ごとに自動計算できる。
  5. レジメンマスターの登録内容を複数人で確認する。
メモ


レジメンは、がん化学療法における容量用法を時系列に明示した治療計画です。
1)抗がん剤の投与量の多寡で患者の生死を分けます。がん化学療法に精通した医師によって
決定されるべきです。
2)
3)
4)登録されている患者の身長、体重から投与量を自動計算し、参考値とする場合があります。
5)


正答:1

問13:医療事故防止に直接関与する機能はどれか。2つ選べ。

  1. 入院患者統計機能
  2. 禁忌薬チェック機能
  3. 看護師の勤怠管理機能
  4. アレルギーチェック機能
  5. インシデントレポートの登録機能
メモ


1)
2)疾病禁忌(疾病に対する仕様禁忌の薬剤投与)、併用禁忌(副作用を引き起こす相互作用のある組み合わせのある複数薬剤の投与)などが
発生しないように処方オーダ時にエラーやアラームが表示される機能。
3)
4)アレルギーのある患者にアレルギー症状の引き起こす薬剤、食物、造影剤を誤ってオーダしないようにエラーやアラームが表示される機能
5)


正答:2,4

問14:インシデントレポートシステムの導入目的でないのはどれか。

  1. 報告数を削減できる
  2. 集計作業が容易となる
  3. 報告者が報告しやすい環境ができる
  4. 報告内容ごとに参照権限を設定できる
  5. 事案が発生したときに情報を速やかに収集できる
メモ


医療安全に関するリスクマネージメント目的で導入する。
施設内の医療事故のみならず、軽微なヒアリハット事案も網羅的に、収集することで
医療安産の向上を目的とするシステムである。
1)軽微な案件でも報告を収集する必要がある。報告数を削減することは望ましくない。
2)
3)
4)
5)


正答:1

問15:レポーティングシステムにおける既読管理の対象者は誰か。

  1. 病院長
  2. 医療情報部長
  3. 検査を指示した医師
  4. 報告書を作成した医師
  5. 検査を実施した医療従事者
メモ


1)
2)
3)レポート(検査結果)は、検査依頼した医師により読まれるべきであるため。
4)
5)


正答:3

問16:注射薬の一本渡し運用の説明として適切なものはどれか

  1. 抗がん剤の運用に適している
  2. 期限切れの薬剤が放置されやすい
  3. 重症系病棟での運用に適している
  4. 薬の取り出し時の間違いが発生しやすい
  5. 病院全体の注射薬の在庫が多くなりがちである。
メモ


一本渡し:注射オーダーが来たら1患者1回ごとに注射薬を薬剤部から病棟へ払い出して、注射を実施するやりかた
定数配置:病棟に一定数の注射薬をストックしておいて、オーダーに応じて注射実施するやりかた
1)抗がん剤は患者により投与量などが異なるため、定数配置だと細かな調整がきかない。
一本渡しの場合、薬剤部(薬剤師)による処方監査、調剤監査が行われるため、
薬品の取違、投与量誤りを防げる。
2)
3)重症系は患者の状態変化が激しいため、一本渡しでは間に合わない
4)
5)


正答:1

問17:輸血実施時に記録する必要性がもっとも低いのはどれか。

  1. 血液製剤種
  2. 輸血既往歴
  3. 血液製剤番号
  4. 輸血投与時刻
  5. 輸血製剤投与により生じた副作用
メモ

ひっかけ問題。どれも大事な項目だが、輸血既往歴は「輸血実施時」ではなく「輸血実施前」に記録されているべきである
1)
2)
3)
4)
5)


正答:2

問18:輸液実施時に行われる3点認証において、読み取らないのはどれか。2つ選べ。

  1. 患者ID
  2. 病室番号
  3. 実施者ID
  4. 調剤担当薬剤師ID
  5. 輸液対象物の識別番号
メモ


1)
2)入院中に病室の移動が発生する為、輸液実施時の個人識別に使用できない。(しない)
3)
4)輸液実施時に調剤担当薬剤師が立ち会うわけでは無い。
5)


正答:2,4

問19:持参薬を取り扱う運用について誤っているのはどれか。2つ選べ。

  1. 薬剤師が持参薬の鑑別を行う。
  2. 薬剤師が持参薬オーダを発行する。
  3. 持参薬マスターは、院内採用医療薬マスターと別に作成する。
  4. 院内採用されていない薬剤を自動的に院内採用薬に変換する。
  5. 持参薬オーダによる処方は、通常の処方オーダと同様の服薬指示ができる。
メモ


1)
2)持参薬オーダは医師が発行するもので、薬剤師が発行することはない
3)
4)勝手に薬剤が変換されるのは非常に危険である。
医師は、薬剤師からの情報、患者の状態などから判断し、適切な薬剤を処方する必要がある。
支援機能として、院内採用薬候補を表示する機能は必要ではあるが、自動変換されてしまうのはリスクがある。 
5)


正答:2,4

問20:リハビリテーション部門システムに求められる機能として適切でないものはどれか。

  1. 予約枠管理
  2. 実施単位の管理
  3. 療法士の労務管理
  4. 実施計画書の管理
  5. 地域連携パスとの連携
メモ


1)
2)
3)療法士のスケジュール管理は必要だと思われるが、
労務管理の語彙として
労働時間の管理、休暇の付与なども含まれる。
人事管理システムの範囲と思われるため、適切ではない。
4)
5)


正答:3