
2016年(第14回)医療情報技師試験の医学医療系からの過去問 1~10 を勉強したときの備忘録です。
個人的な解釈でメモを付けています。誤りがある可能性があります。
問1:医療情報とその特性の組み合わせで誤っているのはどれか。
- 心電図 ー 波形情報
- 血液生化学検査 ー 数値情報
- 聴診による呼吸音 ー 音声情報
- 患者ID ー コード情報
- 3次元CT ー 動画像情報
1)
2)
3)
4)
5)3次元CTは、CTの複数断層の画像データを基にコンピュータ処理により立体構造として描画したものであり、動画像ではない。
解答:5
問2:以下の検査で得られるデータが画像情報でないのはどれか。
- 眼底検査
- 脳波検査
- 胸部CT検査
- 腹部超音波検査
- 頭部MRI検査
1)
2)脳波検査のデータは、波形データである。
3)
4)
5)
解答:2
問3:一般に、1検査・1件あたりのデータサイズが最も大きい画像データはどれか。
- 頭部MRI画像
- 腹部超音波画像
- 胸部単純X線画像
- 同意書スキャン画像
- 病理バーチャルスライド画像
1)頭部MRI画像は1枚0.5MB (画素数:512*512,濃度階調14bitの場合)
そのため、1検査当たり150枚撮影した場合、約75MB
2)腹部超音波画像は1枚0.3MB (画素数:640*480,濃度階調8bitの場合)
そのため、1検査当たり10枚撮影した場合、約3MB
3)腹部単純X線画像は1枚8MB (画素数:2048*2048,濃度階調10bitの場合)
そのため、1検査当たり4枚撮影した場合、約30MB
4)同意書スキャン画像は24bitカラースキャンであっても数MB以下
5)病理バーチャルスライド画像は スライド1枚 1~10GB,圧縮しても1)~4)の画像と比べるとデータサイズは大きい
解答:5
問4:医療情報の一次利用にあたるのはどれか。番
- 教育への利用
- 研究への利用
- 政策の立案・検証への利用
- 診療報酬請求のための利用
- 医薬品・医療機器等の開発
1)
2)
3)
4)診療報酬請求のための利用は、診療情報を医療行為の公的書類作成のために用いることのひとつであり、一時利用である。
5)
1)2)3)5)は患者の診療目的や医療行為の公的書類作成のための利用ではなく、診療情報の二次利用に当たる。
解答:4
問5:診療データの二次利用にあたるのはどれか。
- 治療方針決定のために診療情報を利用した。
- インシデントレポートの作成に診療情報を利用した。
- 経営上の指標データを得るために、診療情報を用いた。
- 患者とのインフォームドコンセントに検査データを用した。
- セカンドオピニオンのために、他の病院に検査データを提供した。
1)
2)インシデントレポート作成に診療情報を利用することは、患者の診療や医療行為の公的書類作成を目的とした利用ではなく、病院の安全管理のための活動を方向付ける管理資料としての利用であり、二次利用に当たる。
3)経営上の指標データを得るために診療情報を用いることお、病院経営管理のための利用であり、二次利用に当たる。
4)
5)
1)4)5)は患者の診療を目的とした診療情報の利用であり、一時利用に当たる。
解答:2,3
問06:2015年に改正された「個人情報の保護に関する法律」について誤っているものはどれか。
- 「個人情報」は、生存する個人に関する情報である。
- 「要配慮個人情報」には、本人の信条は含まれない。
- 携帯電話の通信機器IDは、「個人識別符号」に含まれない。
- 体の一部の特徴を変換した符号は、「個人識別符号」に含まれる。
- 「匿名加工情報」は、個人が識別されないようにする必要がある。
1)
2) 本人の信条も「要配慮個人情報」に含まれる
第二条 3 この法律において「要配慮個人情報」とは、本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪
の経歴、犯罪により害を被った事実その他本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が
生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものとして政令で定める記述等が含まれる個
人情報をいう。
3)
4)
参考文献サイト】
個人情報保護法の改正概要
解答:2
問7:医療・介護関係事業者における個人情報の取り扱いについて誤っているのはどれか。
- 患者からの要求に従って誤りを修正する必要がある。
- 死亡患者に関する情報もガイドラインの対象となる場合がある。
- 施設の清掃業者も、ガイドラインに十分配慮することが望ましい。
- 氏名、生年月日、住所を削除すれば、本人同意なしで学会発表して良い。
- 前月の患者情報の取扱い件数が5,000件未満であってもガイドラインの対象となる場合がある。
1)患者には自分に関する情報が正しく記録されていることを確認し、誤りがあれば訂正を求める権利が保証されている。
2)
3)
4)医療関係の個人情報では、希少疾患の症例など、現病歴だけで個人が特定されてしまう場合があるため、診療目的以外の利用には同意が必要
5)医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドラインでは取り扱う個人データ数が過去6か月間に一度も5000件を超えていない小規模事業者であってもガイドラインを遵守する努力を求めている。(2015年9月の個人情報保護法の改正により、個人情報取扱件数にかかわらず順守義務が生じることとなった)
個人情報保護についてルールには、個人情報保護法と医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドラインの2つがある。医療・介護事業者は法律である個人情報保護法と同様に、医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドラインを遵守しなければならない。
参考文献サイト】
【PDF】医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン
解答:4
問8:次のうち「OECDの8原則」に該当しないのはどれか。
- 責任の原則
- 公平性の原則
- 利用制限の原則
- 個人参加の原則
- データ整合性の原則
OECD(経済協力開発機構)はヨーロッパ諸国を中心に日・米を含め38ヶ国の先進国が加盟する国際機関です。OECDは国際マクロ経済動向、貿易、開発援助といった分野に加え、最近では持続可能な開発、ガバナンスといった新たな分野についても加盟国間の分析・検討を行っています。
OECD8原則とは、1980年9月にOECD(経済協力開発機構)の理事会で採択された「プライバシー保護と個人データの国際流通についての勧告」にある、「収集制限の原則」、「データ内容の原則」、「目的明確化の原則」、「利用制限の原則」、「安全保護の原則」、「公開の原則」、「個人参加の原則」、「責任の原則」の8項目の原則です
◆OECDの8原則◆
収集制限の原則
データ内容の原則:収集する個人データは利用目的に適合しているものとし、正確、完全かつ最新のものに保つ。(→データ整合性の原則 と言ってもいい?)
目的明確化の原則
利用制限の原則
安全保護の原則
公開の原則
個人参加の原則
責任の原則
解答:2
問9:個人情報の取り扱いとして正しいのはどれか。
- 病院で亡くなった方に対する親族からの問い合わせに答えた。
- 個人情報を含む作業用データを保存したノートパソコンを院外へ持ち出した。
- 患者に開業案内を送付するために病院情報システムの住所リストを利用した。
- 院内の許可を得た上で、ファイルにパスワードを付け、利用後は速やかに消去した。
- 警察からの電話問い合わせに対して、即座に患者の生年月日、住所、電話番号などを回答した。
1)診療記録の開示を求め得る者の範囲は、患者の配偶者、子、父母およびこれに準ずる者(「診療情報等の提供に関する指針」)とされている。そのため、親族であるからといってもみだりに答えるべきではない。
2)院外へ持ち出すことは避けるべき
3)個人情報の目的外利用
4)
5)警察や検察等捜査機関からの照会や事情聴取に答える際は、問い合わせに対してその目的や情報提供を求めた捜査官の役職、氏名を確認したうえで答えるべきである。そのため、即座に回答することは適切ではない。
解答:4
問10:医療情報システムの利用者の責務として誤っているのはどれか。
- 参照した情報を目的外に利用しない。
- 代行入力の場合、依頼者が確定操作を行う。
- 代行入力者に依頼者のパスワードを知らせておく。
- 作業終了あるいは離席するときはシステムのログアウト操作を行う。
- システムへの不正アクセスを発見した場合は速やかに運用責任者に連絡する。
解答:3